ホメオパシーの歴史は、今から遡ること200年ほど昔、ドイツ人医師のサミュエル・ハーネマンによって体系だてられました。
ハーネマンは、当時マラリアの特効薬だったキナの樹皮に疑問をもちます。
なぜキナの樹皮でマラリアの症状が改善するのか?
そこで、ハーネマンは自らキナの樹皮を食べてみました。
すると、下痢、嘔吐、発熱、悪寒など、まるでマラリアに罹ったかのような症状があらわれました。
この経験がもとになり、ホメオパシーの大原則である「同種の法則」が生まれます。
さらに、ハーネマンは物質を希釈(薄めて)振盪(たたく)することで、毒物の効力だけを引き出し活用する術を発見しました。
この「希釈・振盪」もホメオパシーの大特徴です。
物質のもつエネルギーは、希釈・振盪を繰り返すことで物質の域を超え、ダイナミックに広がります。
こうして、原物質から変化したエッセンスをレメディーと呼び、砂糖玉やアルコールに浸透させて保存します。
レメディーには、いくつもの希釈度が用意されています。
例えば、9Xは10の9乗倍、30Cは100の30乗倍、200Cは100の200乗倍の希釈度になります。
希釈度の低いものは物質的な身体へ、高いものは感情や精神的なバイブレーションへと響いていきます。
ホメオパシーでは、不調の原因を「バイタルフォースの乱れ」ととらえます。
バイタルフォースは「生命原理」と訳されます。また、シンプルに「生命力」と言い換えても良いでしょう。
これは、中医学で言われる「先天の精」または「命門の火」と同じ概念です。
病気に罹ったり怪我を負うことでバイタルフォースは乱れますが、長年の生活習慣や培った価値観がそのきっかけとなることもあります。
タイプの異なるそれぞれのクライアントに適したレメディーを選ぶために、症状とは直接関係ないと思われる話も詳しく聞いていきます。
性別、年齢、主訴、不随症状、発症時期、胎教、親や兄弟姉妹との関係、家族の病歴、価値観、考え方、生活リズム、食生活、仕事、喉の渇き、排便、生理、睡眠、ストレス、好きなもの、嫌いなものなど、様々な情報をもとにクライアントの全体像に合うレメディーを選んでいきます。
大切なのは、ホメオパシー療法家とクライアントの信頼関係です。